易経56.4 - 旅、第四爻

第56卦、第四爻

旅(たび)

卦象の図

九四:旅于處

爻辞

九四:旅于處,得其資斧,我心不快。

旅人は一時の宿に身を寄せ、財産と斧を手に入れる。しかし、心は晴れない。

解説によれば:「旅人は一時の宿に身を寄せる」とは、まだ本来の居場所を見つけていないことを示す。「財産と斧を得る」とは、心がまだ満たされていないことを意味する。

解釈

この爻は旅人にとって重要な局面を描いています。一見すると状況は改善し、旅人は風雨を避けられる一時の宿を得ています(旅于處)。さらに、生活に必要な財産と、作業や防衛に使える斧を手に入れました(得其資斧)。しかし、外面的な安定とは裏腹に、内心は満たされず不快感を抱いています(我心不快)。 解説はこの矛盾をこう説明します。旅人は「まだ本来の居場所を見つけていない」のです。強い陽の存在が陰の立場に置かれ、窮屈さや不調和を感じています。宿はあくまで一時的な避難所であり、真の安住の地ではありません。財産や斧は役立つものの、同時に危険や苛立ちの象徴でもあります。斧は強力な道具ですが、不満を抱えた不安定な状況下では、軽率に使われる恐れがあります。この爻の核心は、外側の安定と内側の孤立感との間にある緊張関係です。旅人は生きる手段を持ちながらも、心が安らぐ居場所や目的を欠いているのです。

行動への指針

一時的な安定を得て、現状を乗り切るための資源も手に入れました。この安定を感謝し、休息の場として大切にしましょう。しかし、心の奥底にある不満や落ち着かない気持ちを無視してはいけません。その内なる声は、今の立場が最終目的地ではないことを告げています。ここで重要なのは慎重さです。あなたには力と道具(斧)がありますが、苛立ちから衝動的な行動を起こしやすい状態です。感情的な爆発や急な決断は避け、むしろこの比較的安全な時期を利用して、次の一歩を静かに計画しましょう。忍耐強く、礼儀正しく振る舞い、心が安らぐ場所を見つけるための準備を進めてください。

恋愛・人間関係において

この爻は、外見上は安定しているものの、内面では満たされない関係を示唆します。安心感や共有する生活(宿と財産)はあるものの、自分らしさを発揮できず、理解されていないと感じるかもしれません。関係は安全圏にあるものの、真の「居場所」ではないのです。斧は鋭い言葉や争い、決定的な別れの可能性を象徴します。この力を軽々しく使わないよう注意が必要です。苛立ちから早まった行動を取らず、まずは自分の不満の原因を内省しましょう。それが一時的なものか根本的な不一致かを見極め、可能なら冷静に気持ちを伝えることが大切です。

仕事・ビジネスにおいて

この爻は、安定した収入や一定の安心感はあるものの、満足感や居場所のなさを感じる仕事やキャリアを示します。仕事をこなすためのスキルや資源(斧)は持っているものの、自分の才能が活かされていない、職場の文化が合わないと感じているかもしれません。「心が晴れない」は、週末の憂鬱や、価値観に合わない機械的な役割を担う感覚に似ています。苛立ちから同僚と衝突したり、計画なしに突然辞めるリスクがあります。賢明な対応は、今の仕事の安定を土台にして、焦らず新たな機会を探し、スキルアップや人脈作りに努めることです。現在の職は牢獄ではなく、一時の避難所と捉えましょう。

金銭面において

金銭的には一定の安定を得て、住まいや貯蓄、生活のための手段(財産と斧)を持っています。しかし、その経済的安定が期待した幸福感をもたらしていません。お金を追い求める過程で、感情的・精神的な満足が得られない道を歩んでいるかもしれません。手に入れたものが空虚に感じられ、心は晴れません。この不満が衝動的な金銭判断を招く恐れがあります。無謀な浪費で幸福を買おうとしたり、刺激を求めてリスクの高い投資に走る可能性もあります。ここでの指針は、築いた安定を大切にし、それを基盤に本当に喜びや目的をもたらすものを探求することです。単に資産を増やすのではなく、より深い価値観に沿った金銭生活を目指しましょう。

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