卦13
人との交わり
同人(どうじん)
天火同人
卦13は上に天(乾)、下に火(離)の三爻から成り立っています。火は天に向かって燃え上がる性質を持ち、これは明晰さや意識、高い理念に向かう自然な衝動を象徴します。個々の違いを超え、共通の普遍的な目的のもとに人々が集う姿を表しています。
キーワード
彖伝(判断)
この判断は、公の場での開かれた交わりによる成功を示しています。真の交わりとは秘密結社や排他的な集団ではなく、共通の明確な目的のもとに心を開いて結びつくことです。このような結束が大きな挑戦(大川を渡ること)を可能にします。高潔な人物の忍耐強さが成功をもたらします。
象伝(象徴)
火が天に向かって燃え上がる様は賢明な指導者の理想を表します。火が照らし、天が秩序を与えるように、指導者は共同体に明確さと秩序をもたらします。人々を自然な結びつきや共通の関心でまとめ、目標や役割、原則を明確にすることで、調和のとれた社会を築きます。
解釈と指針
卦13を得たときは、コミュニティと協力に注力する時です。成功は他者との結束にかかっています。開かれた心で包容力を持ち、個人の利益よりもグループの利益を優先しましょう。志を同じくする仲間を見つけ、透明で高潔な目的に基づく連携を築くことが大切です。
この卦は、集団の力を必要とする大きな事業に挑むことを勧めています。適切な交わりがあれば、困難な課題も乗り越えられます。秘密主義や不信、排他性は避け、明快さと普遍的な兄弟愛の精神を行動の指針としてください。ビジョンを明確に伝え、共に歩む仲間を募りましょう。
六爻の解説
初九
一番下の陽爻
「門に同人す。咎なし。」
交わりの始まりを示します。まだ門口にいる段階で、身近な人々との結びつきに限られています。意図が開かれて排他的でなければ、正しい無過失のスタートです。より広い共同体への第一歩です。
六二
二番目の陰爻
「族に同人す。羞。」
自己中心的で排他的なグループ形成への警告です。個人的なつながりや狭い利害だけに基づく結びつきは限界があり、党派的になり、最終的には恥辱と後悔を招きます。真の交わりはもっと広く包容的でなければなりません。
九三
三番目の陽爻
「樹上に兵を匿し、高丘に登る。三年起きず。」
不信が交わりの可能性を毒しています。疑念や待ち伏せの心があり、真の結束を妨げ、長期間の停滞と孤立を招きます。前進するには武器を置く必要があります。
九四
四番目の陽爻
「垣に登りて攻むること能わず。吉。」
知恵の瞬間が訪れます。争いに駆られるが無益と悟り、戦わず和解を求めることで、悪い状況を好転させます。交わりへの重要な一歩です。
九五
五番目の陽爻
「同人は先ず哭泣し、後に笑う。大いに利して会う。」
この卦の核心です。真の深い共同体は容易にできません。多くの障害や誤解、困難(泣き悲しみ)を乗り越えなければなりません。しかし忍耐によってそれらを克服し、深く喜ばしい結びつき(微笑み)を得ます。人々が集うことで大きな勝利がもたらされます。
上九
一番上の陽爻
「野に同人す。悔いなし。」
より広い共同体の境界に達しましたが、中心地ではなく「野原」にいる状態です。平和で争いはありませんが、深い積極的な関与は欠けています。最も活発な位置ではないものの、平穏で後悔はありません。
恋愛
この卦は、情熱だけでなく、共通の理想や価値観、未来へのビジョンに基づく結びつきを強調します。真のパートナーシップを意味します。困難や誤解があれば、率直な対話で乗り越え、より深く喜びに満ちた絆を築きましょう。真のパートナーシップにとって非常に良い兆しです。
仕事・ビジネス
チームワークや共同事業、大規模な協力プロジェクトに最適な時期です。成功はオープンなコミュニケーションと共通の目標にかかっています。社内政治や派閥、秘密主義は避け、強固で統一されたチーム作りに注力しましょう。人をまとめ、共通の目的に導く力が最大の武器です。
健康
健康は調和と統合から生まれます。サポートグループに参加したり、フィットネスクラスに通ったり、友人と交流することで心身の健康を高めましょう。仕事・家庭・自己のバランスを整え、ストレスを減らし、全体的な健康を促進することも示唆しています。
財運
パートナーシップによる成功を示します。共同事業やシンジケート、クラウドファンディングなどを検討しましょう。すべての取引において透明性が重要です。共通のビジョンを持つ仲間と資源を共有することで、大きな財務的成功が期待できます。秘密主義や複雑すぎる取引は避けてください。
自己成長
自己中心性を超え、広い人間共同体とのつながりを認識することが成長の鍵です。グループの中で自分の役割を見つけ、自分を超えた大きな目的のために働くことを促します。この卦は相乗効果の力と、共に成し遂げる喜びを教え、個人主義から協調的な考え方への転換を促します。
時期とアドバイス
今こそコミュニティを築き、大きな協力プロジェクトに取り組む時です。すべての関係において開かれた心で包容力を持ち、透明性を保ちましょう。初期の困難や意見の相違にくじけず、それらは強固で永続的な結びつきを形成する過程の一部です。共通の土台を見つけ、皆が共に立てる場を作ることが最優先課題です。