易経52.4 - 艮(静止)四爻の解説

52番卦 四爻

艮(静止)

卦象の図

六四:艮其身

爻辞

六四:艮其身,无咎。

四爻陰:静止して身を保つ。咎なし。

解説:身を静止させるとは、自己の全体を落ち着かせることを意味する。

解釈

この爻は「静止」の実践がより深まる段階を示しています。足先やふくらはぎ、腰などの末端から、心臓や重要な内臓を収める身体の中心部である「身(しん)」へと焦点が移ります。身を静止させるとは、落ち着きのない心を鎮め、自己の行動衝動を抑えることです。四爻はしばしば不安や誘惑の位置であり、五爻(君主)に近い臣下の立場にあたります。介入したい衝動や自己証明の欲求、結果を強引に導こうとする気持ちが強くなりますが、この爻は完全な不干渉を勧めています。内外の深い静止を達成することで、個人的な野心や感情の反応の勢いを止めるのです。これは弱さや無関心ではなく、意識的で困難な自己統制の行為です。その結果「咎なし」となり、行動を控えることで重大な過ちや悪影響を避けられます。混乱から距離を置き、中心の静けさから明晰さが生まれるのです。

行動への指針

今あなたに求められているのは、徹底した自制の実践です。行動せず、発言せず、介入もしないこと。直面している状況は繊細であり、自己のエゴや不安からの動きは誤りとなります。心と衝動を静め、観察者の立場に徹してください。「何かをしなければ」「解決しなければ」という強い衝動に抗いましょう。あなたの力は動かないことにあります。中心を保ち、騒動に巻き込まれないことで、過ちを防げます。状況をそのまま見守り、正しい道が自然に示されるのを待つのです。この規律があなたを守り、最善の結果をもたらします。

恋愛・人間関係において

人間関係では、感情や行動を一時的に完全に止めることが求められます。もし対立があっても、今は解決を急がないでください。強いコミットメントを求めたり、答えを迫ったり、大げさな愛情表現をしようとする衝動を抑えましょう。心の不安や欲求を静め、相手や関係にゆとりを与えることが大切です。独身の方は積極的なアプローチは控え、自分自身の内面の平穏を見つけることに集中してください。反応的な心を静めることで、トラブルを避け、相手を遠ざけたり一時的な感情に流される決断を防げます。この静けさは、自分自身と相手への愛の表現でもあります。

仕事・ビジネスにおいて

仕事面では、目立たず現状を維持し、戦略的な動きを控える時期です。複雑な人間関係や昇進のチャンスに気づいても、今は行動しないほうが賢明です。自分の主張を押し通したり、リスクの高いプロジェクトに手を挙げたり、同僚や部署間の争いに巻き込まれないようにしましょう。静かに与えられた役割を果たし、安定の柱となることが求められます。身を静止させることで、政治的な失敗を避け、エネルギーや資源をより良いタイミングまで温存できます。この戦略的な静止こそが最も賢明で安全な選択です。

金銭面において

金銭に関しては、明確に「何もしない」ことが示されています。売買や資産の移動は控え、市場の変動に反応したり、十分に調査していない有望な案件に飛びつく誘惑に抵抗しましょう。現状の資産を維持し、ただ静かに見守るのが最善です。損失を恐れたり、機会を逃す不安を鎮めてください。身を静止させることで、恐怖や欲望からの誤った判断を避け、資産を守ることができます。今はポートフォリオを休ませる時期です。安全は行動しないことにあります。

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