37番卦 六二爻
家人(かじん)
六二
爻辞
六二、无攸遂、在中馈、贞吉。
六二の爻辞:外に求めることなく、家の中心で食物を供給する。貞(まこと)を守れば吉。
解説によれば:六二の吉は、柔和で従順な性質に由来する。
解釈
この爻は理想的な妻、または家族の中で中心的に養育を担う存在を表しています。陰の爻が陰の位置にあり、下卦の火(家庭や内面生活を象徴)において中央に位置することで、内側から支える力を象徴しています。「外に求めることなし」とは、外部の成功や個人的な野心にとらわれず、家の中心で「食物を供給する」ことに価値を見出していることを意味します。これは単に食事を用意するだけでなく、感情の安定や思いやり、秩序を保つ重要な役割を指します。彼女の力は目立つものではなく、家族が繁栄するための土台そのものです。解説は、彼女の吉が柔和で従順な性質(順以巽)にあると強調しており、その性質が家族の調和と支えを可能にしています。この役割は静かでありながら非常に大きな責任と力を持ち、忍耐強く務めることで家族全体に幸運をもたらします。
行動への指針
成功への道は、外部の評価や前面に立つリーダーシップを求めることではなく、あなたの本質的な役割を丁寧に果たすことにあります。チームやプロジェクト、家庭の内側の基盤をしっかり支えることに集中しましょう。あなたは信頼できる養育の中心であり、すべてが円滑に機能するための要です。支える立場を受け入れ、そこにこそ真の影響力と価値があることを理解してください。個人的な栄光に惑わされず、細部に注意を払い、資源を賢く管理し、安定を保つことが大切です。日々の務めを着実に果たすことで、長く続く大きな成功の基盤を築くことができます。
恋愛・人間関係において
この爻は家庭内の養育の重要性を示しています。パートナーシップの強さは、静かで継続的な思いやりと支えの行為にあります。温かく安定した愛情あふれる家庭環境を築くことに注力しましょう。どちらか一方が中心的で支える役割を担い、日々の生活や感情面のケアを行うことが求められます。これは決して従属的な立場ではなく、尊敬されるべき重要な役割です。個人の目標を追うよりも、関係そのものを大切にすることで真の充足が得られます。愛情とケアを忍耐強く続けることで、深く幸運な絆が育まれます。
仕事・ビジネスにおいて
あなたの最大の貢献と成功は、支援的で運営的、あるいは管理的な役割からもたらされます。今は表舞台の顔役やビジョナリーなリーダーではなく、組織の内側から確実に機能させる不可欠な存在です。プロジェクト管理、人事、事務、あるいは重要な役員のサポートなど、具体的な職務に集中しましょう。あなたの強みは信頼性、勤勉さ、そしてチームや会社の内部運営を管理する能力にあります。スポットライトを求めず、他者が輝くための安定した支えとなることが幸運を呼びます。静かな実力こそが最大の武器です。
金銭面において
この時期は投機やリスクの高い投資ではなく、保守的で着実な資金管理が求められます。予算の管理、日々の支出の把握、家庭や事業の財政的安定を確保することに注力しましょう。繁栄は既存の資源を丁寧に管理することから生まれます。まるで家計を切り盛りする主婦のように、常に食卓に食べ物がある状態を保つことが大切です。予算を立てて守り、貯蓄を続け、短期的な派手な利益に惑わされないようにしましょう。こうした堅実な金銭習慣を忍耐強く続けることで、長期的な安定と吉運を築けます。今は財務を整理し、将来のための確かな基盤を作る絶好の時期です。