卦36、上六爻
明夷(めいい)
上六:不明
爻辞
上六:不明,晦。初登于天,後入于地。
上六:光明が隠れ、暗闇に包まれる。最初は天に昇るが、やがて地に沈む。
解説によれば、「天に昇る」とは四方を照らそうとすること、「地に入る」とは根本の道(天命)を失うことを意味する。
解釈
この上六爻は、卦36の闇の源が迎える劇的な頂点と避けられない没落を表しています。抑圧のサイクルは極限に達し、ついに自壊し始めています。これは傲慢な支配者や暗黒の力が、絶対的な権力を求めて「天に昇る」ものの、過剰な野心が自らの破滅を招き「地に沈む」様子を象徴しています。闇は深く、自らを飲み込むのです。これは高潔な者の苦難ではなく、抑圧者が自ら招いた運命です。観察者にとって、この爻は長い夜の終わりを告げています。最も暗い時こそ夜明け前の瞬間であり、この爻はその最後の深い闇の瞬間を示しています。状況は強力でほとんど因果的な逆転を経て解決へ向かっています。
行動への指針
今あなたに求められているのは、当事者ではなく傍観者であることです。あなたが耐えてきた破壊的な力は、今まさに自壊しています。介入せず、復讐もせず、崩壊を早めようともしないでください。そうすれば巻き込まれてしまいます。距離を保ち、冷静さを失わず、嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。状況は強い勢いで解決へ向かっており、あなたの役割はこの最後の激しい局面を耐え抜き、塵が落ち着いた後に必ず訪れる新たな光の時代に備えることです。今は忍耐強く見守り、自身を守る時期です。
恋愛・人間関係において
この爻は、有害で抑圧的な関係の劇的な終焉を示します。一方のパートナーの支配的、操作的、破壊的な行動が限界を超え、関係が突然崩壊します。「天に昇る」は最後の傲慢な力の誇示や感情のコントロールを表し、「地に沈む」は別れや分離、行動の暴露を意味します。もしあなたが苦しんでいる側なら、この崩壊を静かに見守りましょう。最後のドラマに巻き込まれないことが大切です。終わりは混乱を伴うかもしれませんが、あなたにとっては解放の始まりであり、暗い章の終わりと内なる光の回復を告げています。
仕事・ビジネスにおいて
職場では、この爻は専制的なリーダーや腐敗した経営陣、あるいは非倫理的・持続不可能な経営体制の没落を示します。対象となる組織は権力と影響力の頂点に達しましたが(「天に昇る」)、傲慢や貪欲、誤った方針が原因で大失敗(「地に沈む」)を招きます。具体的には、CEOの解任、部署の解体、会社の倒産などが考えられます。あなたの最善策は目立たずにいることです。崩壊に関わる社内政治に巻き込まれず、自分の仕事と評判を守りましょう。やがて新たで健全なリーダーシップや環境が生まれます。
金銭面において
この爻は、金融の過信や投機的バブル、「一攫千金」的な計画に対する強い警告です。資産や投資が急激かつ非合理的に上昇(「天に昇る」)し、今まさに破滅的な暴落(「地に沈む」)を迎えようとしています。これはバブル崩壊の典型です。もしあなたがその投資に関わっているなら、完全な損失が起こる前に即座に手放すべき最後の警告です。欲に溺れれば破滅します。傍観者なら、最後の過熱に惑わされないようにしましょう。今は極めて慎重に、堅実な金融原則に立ち返る時です。異常に高いリターンを約束する投資は避けてください。その落下は上昇と同じくらい劇的です。