易経36.1 - 明夷 初爻の解説

第36卦 初爻

明夷(めいい)

卦象図

初九:明夷于飛

爻辞

初九:明夷于飛,垂其翼。君子于行,三日不食。有攸往,主人有言。

初九:明の光が暗くなり、翼を垂れて飛ぶ。君子は旅に出て、三日間食を断つ。行くべき所はあるが、主人は言葉をかける。

解説曰く:君子は旅に出ているため、食を断つのは正しい。

解釈

この爻は困難の始まりを示します。光や自由の象徴である鳥が、迫り来る暗闇を察知し飛び立とうとしますが、高く舞い上がれず翼を垂れて低く飛び、目立たぬように身を隠します。これは悪化する状況からの戦略的かつ必要な退避を表しています。君子は危険を理解し、退避の「旅」に出ます。この旅は容易ではなく、「三日間食を断つ」という犠牲を伴います。これは快適さや即時の満足を犠牲にしてでも、原則を守り長期的な安全を確保することを意味します。退避中は誤解や批判に直面するかもしれません。「主人が言葉をかける」とは、周囲が危険を理解せず、行動を疑ったり噂したりすることを示します。重要なのは、自分の信念を貫き、この困難な退避が正しい道であると確信することです。

行動への指針

困難や有害な状況の始まりに直面しています。直感は正しく、今は正面から対決するのではなく、戦略的に退く時です。才能を誇示したり、立場を守ろうとせず、翼を垂れて低く飛ぶ鳥のように控えめに行動しましょう。この退避には個人的な犠牲が伴うかもしれません。しばらくの間、快適さや野心、社会的承認を手放す覚悟が必要です。動機を理解しない他者の批判や意見に惑わされないでください。彼らの「言葉」は自己防衛の必要性に比べれば無意味です。自分の判断を信じ、原則を守り続けることが大切です。

恋愛・人間関係において

この爻は関係が不健全、抑圧的、あるいは有害になりつつある初期の兆候を示します。愛の光が薄れてきています。賢明な対応は、感情的にも場合によっては物理的にも距離を置き始めることです。劇的な対立ではなく、静かで慎重な退避が求められます。この過程は「三日間食を断つ」ような苦痛を伴い、慣れ親しんだ安心感を手放すことになります。友人や家族、パートナーでさえあなたの退避を理解せず批判するかもしれません(「主人が言葉をかける」)。あなたの最優先は感情の健康を守ることです。翼を垂れることで、消耗し暗くなる状況から自分を守る選択をしているのです。

仕事・ビジネスにおいて

職場環境や特定のプロジェクト、上司との関係が悪化しつつあることを自覚しています。状況は耐え難く、不正や抑圧的になっているかもしれません。この段階でヒーローや告発者になるのは得策ではありません。静かに退路を計画し、目立たずに職務を全うし(翼を垂れるように)、新たな職を探し始めましょう。昇進やボーナスを諦める(「三日間食を断つ」)覚悟も必要です。周囲の同僚や上司(「主人」)はあなたの態度を疑問視したり批判するかもしれませんが、短期的な評価よりも長期的なキャリアの健全さと誠実さを優先してください。

金銭・財務において

この爻は投資や財務の初期警告を示します。状況が悪化する兆しを感じ取り、損失を受け入れてでも資金を引き上げるべき時です。これは大きな損失を避けるための「原則ある撤退」です。金融アドバイザーや他の投資家(「主人」)は慎重すぎる、早すぎる売却だと批判するかもしれませんが、「三日間食を断つ」ような節制期間を耐え抜く方が、市場の大暴落に巻き込まれるより賢明です。今こそ決断し、資産を守りましょう。

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