卦3、四爻
屯(はじめの困難)
六四
爻辞
六四、乗馬班如、求婚媾、往吉、无不利。
六四の爻:馬を駆り進もうとするが、馬は行きつ戻りつする。婚姻を求める。進むことは吉であり、不利なことはない。
解説曰く:進む前に求めることは賢明である。
解釈
この爻は「屯(はじめの困難)」の大きな流れの中で、ためらいや膠着状態を表しています。馬車を進めようとするが、馬がバラバラに動き、円を描くように進んでしまう様子(乗馬班如)が象徴されています。これは、行動する手段はあるものの、明確な方向性や一致した支援が欠けている状況を示します。四爻は臣下の位置であり、責任はあるものの一人で進むには力不足を感じている状態です。 この爻の教えは明確で力強いものです。「求婚媾」(婚姻を求める)は、真摯で確かな結びつきを求める比喩です。自分の限界を認め、適切なパートナーに謙虚に助けを求めることが必要です。そのパートナーは、最初の陽爻(一爻)に象徴される強く正しい基盤を表しています。距離はあっても、その助けを求める行動こそが膠着を打破する鍵です。プライドやためらいを乗り越えて結びつきを求めることは、大いなる知恵の表れです。一度この結びつきが成立すれば、進む道は明るく吉となり(往吉、无不利)、あらゆる障害を乗り越えられます。
行動への指針
現在、あなたは決断に迷い、チームや周囲の調和が取れていない状態にあります。資源はあるのに空回りしているように感じるでしょう。今は無理に独断で動く時ではありません。最大の障害は自我です。最も賢明な道は謙虚に助けや協力、真のパートナーシップを求めることです。あなたに欠けている堅実な支えを象徴する人物や原則を見極め、誠意をもって接近しましょう。これは弱さの表れではなく、戦略的な明快さの証です。この「申し込み」によって膠着を打破し、進むべき道が開け、非常に良い結果をもたらします。
恋愛・人間関係において
この爻は関係におけるすれ違いやコミュニケーションの不調を示します。あなたとパートナーは同じ方向を向けず、問題が解決されずに堂々巡りしている状態です。解決策は自分の意志を押し通すことではなく、謙虚に新たな始まりやより深い結びつきを「申し込む」ことです。目標や願望をすり合わせるための対話を率先して始めましょう。独身の方には、求めるパートナー像を明確にし、積極的に真剣な縁を追い求めることを勧めます。良い相手を見つけたら、ためらわずに最初の一歩を踏み出すことが、今の恋愛運を開く鍵です。
仕事・ビジネスにおいて
仕事面では、プロジェクトやチームが停滞している可能性があります。意見の対立や方向性の不明確さ、空回り感があるでしょう。行動を急ぐほど混乱が増すだけです。この爻は戦略的な提携を強く勧めています。別部署との協力、上司やメンターからの助言、外部パートナーとの連携などが考えられます。すべての答えや資源を自分だけで持っているわけではないことを認め、積極的に強固で誠実なパートナーシップを築くことで、プロジェクトは前進します。
金銭・財務において
この爻は金銭面での迷いを示しています。投資資金や計画はあるものの、どのように進めるべきか迷いが生じています。戦略がまとまらず矛盾しているように感じるかもしれません。単独での判断は賢明ではありません。ここでの「婚姻」は、専門家や信頼できる助言者を求めることを意味します。資格あるファイナンシャルアドバイザーや会計士、あるいは自分の強みを補完するビジネスパートナーに相談しましょう。独断で大きな動きをするのではなく、専門的な協力関係を築くことで、明確な判断と自信を得て、非常に良い財務結果を導き出せます。