第27卦 二爻
頤(口の端)
六二:顛頤
爻辞
六二:顛頤,拂經,于丘頤,征凶。
二爻(陰爻):逆さまの養い。正しい道から外れる。丘(上卦の陽爻)に養いを求める。進むと凶となる。
解説曰く:二爻が進む凶は、自分の類から離れることに起因する。
解釈
この爻は、養い(支えや助け)を求める際の根本的なバランスの崩れと誤った方向性を示しています。「顛頤(逆さまの養い)」とは、不適切な方法や不自然な手段で必要なものを得ようとする状態を指します。本来頼るべき自分の資源や同じ立場の仲間ではなく、「拂経(正しい道から外れる)」ことで、遠く高い位置にある「丘」(上卦の陽爻)に養いを求めるのです。これは不健全な依存の形であり、自分に自信が持てず、地に足をつけて努力する代わりに、上の者にすがろうとする行為です。解説はこの社会的な結果を強調し、「自分の類から離れる」ことで仲間や同等の者から孤立することを示しています。したがって、この道を積極的に進むことは(「征」)、必ず凶(不運)を招き、屈辱や失敗に至るでしょう。支えの基盤が不安定で不適切だからです。
行動への指針
今のあなたの支援や資源、評価、エネルギーの得方は根本的に誤っており、持続可能ではありません。間違った方向を向き、不適切な相手に依存しています。すぐに立ち止まり、見直すべきです。このまま進むと悪い結果を招きます。不健全な依存の戦略は捨て、自分の内面に目を向けて自己の力と自立心を育てましょう。高みにいる者にすがるのではなく、同じ立場の仲間や似た状況の人々とつながり、互いに支え合う堅実な基盤を築くことが大切です。正しい道に戻り、自分の努力で養いを得ることが鍵です。今は無理に進もうとせず、静かに立ち止まり、正しい道を探してください。
恋愛・人間関係において
この爻は、不健全な依存関係を示しています。一方のパートナーがもう一方の地位や財産、精神的安定に頼りすぎている状態かもしれません。自分自身で養うべきものを相手に求めている可能性があります。社会的地位や経済的安定だけを目的に関係を持ち、自分の自己価値の成長を怠っている場合も考えられます。この「逆さまの」関係は真のパートナーシップの原則に反し、より適した相手から遠ざけてしまいます。こうした関係を続けることは心の傷や不運を招くでしょう。まずは自立を目指し、自分の内なる強さを育ててから、健全でバランスの取れた関係を築くことが望まれます。
仕事・ビジネスにおいて
この爻は、不適切な手段での出世や昇進を強く戒めています。直属の上司や同僚を飛ばして、上層部に媚びを売ろうとしているかもしれません。「丘に養いを求める」戦略は裏目に出ます。チームや直属の上司という本来の支えを失い、仲間から孤立することになります。あなたの行動は正しい職業上の道から逸脱しており、一時的な好意を得られても、長期的にはキャリアに悪影響を及ぼします。まずは自分の仕事に専念し、優れた成果を出し、直属の同僚や上司と信頼関係を築くことが重要です。真の成功は能力と誠実さから生まれます。媚びや依存ではありません。
金銭面において
この爻は危険な金銭戦略を示しています。不安定で不適切な資金源に頼っている可能性があります。高利の借金に依存したり、家族や支援者からの援助に過度に頼ったり、遠くの権力者が勧める投機的な「一攫千金」的な案件に手を出しているかもしれません。これは健全な資金管理の「正しい道」から逸脱しています。このまま進み続ける(借金を増やす、他人に依存し続ける、リスクの高い投資に資金を注ぎ込む)と、大きな損失と不運を招くでしょう。すぐに立ち止まり、収入、支出、貯蓄の基本に立ち返ることが必要です。安定した資金源を築き、自立した財務管理を心がけてください。