易経26.1 - 大畜(だいちく)初爻の解説

第26卦 初爻

大畜(だいちく)

卦象図

初九:有厲

爻辞

初九:有厲,利已。

初九(陽爻):危険がある。ここで止まることが吉。

解説によれば、「危険があるので止まることが吉」とは、災いに急いで飛び込むべきではないという意味です。

解釈

この初爻は、26番卦「大畜」の状況の始まりを示しています。あなたは今、下卦の天(☰)のように力強い創造のエネルギーに満ち、前進したい気持ちでいっぱいです。しかし、上卦の山(☶)が示すように、すぐに大きな障害に直面します。この爻は明確な警告であり、今進むことは無謀であると告げています。道は塞がれており、無理に進もうとすれば災難を招くでしょう。ここで求められるのは大胆な行動ではなく、慎重な自制です。危険を認識し、進むのを止めることが最善の策です。この一時の停止は失敗や弱さの証ではなく、戦略的な賢明さの表れです。エネルギーを温存し、障害を見極め、早まった対立を避けるための時間を得ることができます。

行動への指針

警告のサインを見逃さないでください。今は計画や行動を推し進めたい衝動に駆られているかもしれませんが、状況はまだ整っていません。立ち止まり、一歩引いて状況を見守りましょう。無理に進めば後退や損害を招く恐れがあります。今は忍耐と観察、資源の温存が求められる時期です。この時間を使って戦略を練り直し、情報を集め、障害が和らぐか、より良いタイミングを待ちましょう。衝動的な行動を抑えることが成功への鍵となります。

恋愛・人間関係において

恋愛や人間関係では、前に進みたい強い気持ちがある一方で、今は時期尚早であることを示しています。気持ちを告白したり、関係を深めようとしたり、難しい問題に向き合おうとするかもしれませんが、今それをすると相手の抵抗を招き、関係に悪影響を及ぼす可能性があります。相手がまだ準備できていなかったり、外部の状況が整っていないのかもしれません。最善の策は一旦控え、状況に時間と余裕を与えることです。無理に進めようとすると拒絶や衝突を招く恐れがあります。忍耐強く見守り、自然な流れに任せましょう。

仕事・ビジネスにおいて

新しいプロジェクトや大胆なアイデア、昇進への意欲があり、エネルギーも十分にあります。しかし、この爻は今は道が塞がれていることを警告しています。上司からの抵抗、資源不足、市場の反応の鈍さなどに直面しているかもしれません。今計画を強行すれば失敗し、職業的な評価を損なう恐れがあります。賢明なのは計画を一時保留にし、提案や行動を控えることです。この期間を利用して根拠を固め、味方を増やし、より良い環境が整うのを待ちましょう。

金銭面において

この爻は金銭に関して強い警告を発しています。大きな投資や高額な買い物、投機的な取引に心が動くかもしれませんが、易経は即座に止まるよう促しています。隠れた危険や大きな損失のリスクが潜んでいます。進めるべきではありません。資金を守り、待つことが賢明です。今の衝動を抑えることで、大きな財務的打撃を避けられます。攻めの時期ではなく、資本を温存する時期です。

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